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INSPIRATIONS

2021.05.18 TUE.

ECO-FRIENDLY PIONEERS

#03

海岸ゴミ、輝くアクセサリーへ

まるで水彩絵の具がにじんだような美しい色合いと、優しい輝き。このピアスやイアリングが一体何から生まれたものかわかりますか?

実は、海岸に捨てられたプラスチックゴミなんです。手がけるのは、アップサイクルブランド「カエルデザイン」。クリエイティブディレクター高柳豊さんは、捨てられたゴミというネガティブな存在を希望に変えたいと語ります。ブランドに込めた想いや、目指す未来について伺いました。

 

ゴミがアートに。海洋プラスチックとの衝撃的な出会い

 

カエルデザインは、これまでフリーランスのブランドプランナー・エディターとして活動していた高柳さんが、アートディレクターの井上和真さん、アクセサリー作家の川﨑朱美子さんとともに、2019年に結成したクリエイティブユニット。海岸に落ちたプラスチックゴミから、アクセサリーを生み出しています。

高柳さんが、もの作りを通じて環境問題に関わるようになったきっかけは、ファッションデザイナーのヨーガン・レールの作品だったと言います。

「ヨーガンレール文明の終わり」 金沢21世紀美術館 2017年8月18日 高柳豊撮影

「ヨーガンレール文明の終わり」 金沢21世紀美術館 2017年8月18日 高柳豊撮影

 

「『丁寧な暮らし』や『サステナブル』という言葉が流行る何十年も前から、自然素材にこだわった服や小物などを提案してきた彼は、晩年は石垣島へ移住し、『最後の仕事』として海岸に打ち上げられたプラスチックゴミから、数々の美しいランプを生み出しました。ゴミとして捨てられ、価値を失ったものを、美しいものや再び使用できるものに変えることで、環境の危機を訴え、この現状を僕たちに問いかけたのです。ゴミがこんなにも素晴らしい作品に生まれ変わるのかと、衝撃を受けました」

ヨーガン・レールの作品を通して、初めて「海洋プラスチック」という言葉とその問題を知った高柳さん。その後、仕事場の近くにある専光寺浜(石川県金沢市)に行ってみると、大量のプラスチックゴミがあることに気がついたそう。

金沢市の専光寺浜に打ち上げられたプラスチックゴミ

金沢市の専光寺浜に打ち上げられたプラスチックゴミ

 

「それまでもプラスチックゴミはあったはずなのに、その存在がとても目につきました。問題を知ると、見えるものが変わるんですね。目の前にある大量のプラスチックゴミを前に今を生きる大人の責任として、そしてクリエイターとして、できることが絶対にある』そう思いました

 

クリエイティブな発想によって、ゴミにもう一度命を与える

 

毎年、世界中の海に流れ出すプラスチックの量はおよそ800〜1000万トン。2050年には海中のプラスチックの量が、海の生物の数より多くなるとも言われています。

そうしたプラスチックゴミが海岸に打ち上げられ、太陽の熱と紫外線、波の力によって劣化、5mm以下になったものをマイクロプラスチックと呼び、これが海に流れてしまうと回収することはほぼ不可能。エサと間違えて食べてしまうなど、海洋生物が命を落とす原因にもなっています。その海中流出を防ぐのに唯一有効な手段が、海岸に打ち上げられているプラスチックゴミを拾うことです。

砂浜に落ちた細かいプラスチックゴミ。拾う作業は砂浜を這いつくばりながら

砂浜に落ちた細かいプラスチックゴミ。拾う作業は砂浜を這いつくばりながら。

 

回収したプラスチックゴミを、なぜアクセサリーにしようと考えたのかというと、海洋プラスチックの問題に直面したことと、メンバーであるアクセサリー作家の川﨑さんとの出会いが重なったということが一つ。また、アクセサリー製作は大きな設備がなくてもすぐにトライできるということも大きなポイントでした」

「最初はプラスチックを切って重ねただけのものから始まったんです。でも、プロダクトとして魅力を感じてもらい、長く愛用したいと思えるものにしてこそアップサイクルの意味があると考え、半年ほどは試行錯誤の日々が続きました」

回収した海洋プラスチックから石やガラスなどを取り除き、きれいに洗浄する

まずは石やガラスなどを取り除き、海洋プラスチックをきれいに洗浄

 

洗って乾燥させた海洋プラスチックを色別に分別し、ブレンドしながらアイロンで熱を加え、板状にしていきます

洗って乾燥させた海洋プラスチックを色別に分別し、ブレンドしながらアイロンで熱を加え、板状にしていきます

 

「いろんなことを試しているうちに、さまざまな種類や色のプラスチックのかけらをブレンドし、アイロンでプレスすると、とてもきれいな色合いの板ができることに気づいたんです。これをカットして磨き、樹脂でコーティングしたものに金具を付け、ピアスやネックレスに仕上げます」  

 ブランド名の「カエル」には、復活の象徴とも言われる「カエル」、そして、この現状を「変える」という想い、再生して「帰る」「返る」「還る」といった意味が込められています。

「僕らはプラスチックをリサイクルする技術も資金もないけど、クリエイティブな発想によって、ゴミにもう一度命を与えることならできる。世界に一つの美しさは、きっと多くの人の心に届くはずだ、そう思いました」

にじんだような色合いが美しい「カエルデザイン」のアクセサリー

にじんだような色合いが美しい「カエルデザイン」のアクセサリー

 

「誰一人取り残さない」障がいを持つ仲間たちと、もの作りをする意義


アクセサリー製作の作業を共にしているのが、高柳さんがディレクターとして関わっている就労継続支援施設に通うさまざまな障がいをもつ仲間たち。高柳さんは過去にうつ病を経験し、家族にも障がいを持つ人がいることから、障がい者の生活について親身に考えるようになったと言います。


「SDGsでは『 No one will be left behind.(誰一人取り残さない)』ということが目標となっていますが、この『誰一人』って誰のことなんだろうと考えたんです。どこか遠くの『誰か』ではなく、家族や施設の仲間たち、そして自分自身も含めた身近にいる人たちが、少しでも希望を持って未来に向かって生きていけるようにすることが、僕にとっては一番大切に思えたんです」

 

今後は、全国の障がい者施設とともに、各地の海岸で拾った海洋プラスチックのアップサイクルができるような取り組みをしたいと言います。

「障がいを持っている人も社会から守ってもらう、助けてもらうだけじゃなく、『取り残されないように努力すること』が大事だと思っています。自分たちの活動が地球環境を守ることに多少なりとも役立ち、今までになかった社会との関係性が生まれる。そうした手段の一つとしても、アップサイクルのもの作りは可能性を持っていると感じています」

カエルデザインのアクセサリー台紙には「There Is No Planet B.」の文字。「地球の代わりとなる地球Bなど無いという思いを込めています」

カエルデザインのアクセサリー台紙には「There Is No Planet B.」の文字。「地球の代わりとなる地球Bなど無いという思いを込めています」

 

心の病を持つ利用者は、季節や日によって体調に波が出ることも。しかし、アクセサリー作りを始めてからは施設を休む頻度が減ったという方もいるそうです。

「僕たちが作っているアクセサリーって、一つと同じものが作れない。毎日新しいアクセサリーを生み出せるから、作っている側も楽しいんです。それが仕事や生活の喜びにつながっているのではないでしょうか」


悲しみや怒りを、未来への希望に ‟変える”、カエルデザインの物語

 

カエルデザインの想いはアクセサリーとともに波及し、今では全国からビーチクリーン活動で拾われたプラスチックゴミが送られてくるそうです。こうした予想もしなかった展開はまさに「物語」だと高柳さんは言います。

 


「カエルデザインの物語は、作り手だけのものではありません。海岸でゴミを拾って届けてくれる全国の方、それを加工する仲間たち、そして販売したいと思ってくださるお店の方や、共感して買ってくださる方……いろんな人たちの想いが重なり、つながって、できあがったものなのだと思っています」

物語の一端を担う人々と一緒に、未来を変化させるためのささやかな一歩を踏み出すことに、強く意義を感じている高柳さん。

「僕は、今でも海岸のプラスチックゴミを見ると複雑な感情が込み上げてきて涙が出ることがあります。カエルデザインは、そもそも「捨てられたゴミ」というネガティブな要素から生まれたブランド。ブランドの根底にあるのは、悲しみや怒りなんです。でも、僕はそれを希望に変えたい。このアクセサリーから幸せや喜びへと続く物語をつくっていきたいです」

Profile

 

高柳豊

「カエルデザイン」クリエイティブディレクター。システムエンジニアを経て英会話教室、各種カルチャー教室の企画運営、雑誌の出版編集、加工食品や伝統工芸品の商品企画・販売プロモーション、ホームページの企画制作、写真撮影、コピーライティングなどクリエイティブ全般を行う。「カエルデザイン」では海洋プラスチックや廃棄される花などを利用したアップサイクルプロダクツを制作・販売している。

 

HP: カエルデザイン

INFORMATION

Photo:カエルデザイン提供

Text:飯嶋 藍子

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