PEOPLE
2023.2.22.WED
MY SUSTAINABLE LIFE
#24
クリス-ウェブ 佳子"受け継ぐ楽しさ"
コラムニストにインテリアデコレーター、ラジオパーソナリティにライター、モデルと多彩な活動で表現することを続けているクリス-ウェブ 佳子さん。ふたりの娘を育てる母としての暮らしや、素敵なライフスタイルは幅広い世代から支持を集めています。今回は〈O0u〉のアイテムと私物をMIXして着こなした7Daysコーディネート企画の公開を記念し、彼女が自分らしく過ごすうえで意識している3つのポイントと、サステナブルな考え方を伺いました。
物を大事に扱う楽しさ
ーー〈O0u〉はサステナブルな視点で発信をしているブランドなのですが、ご自身の考え方で共感する点はありますか?
幼い頃から両親に「“安物買いの銭失い”はするな」と言われてきました。その考えがいまでも根付いていて。長い目で見たときに「着続けたい、大切にできるものなのか」を考えたうえで新しいアイテムを迎えるようにしています。
ーー新しいものをつくるときに地球と人に配慮することももちろん大事ですが、いまあるものを大切に長く使うことも重要ですよね。ずっと使い続けているお気に入りはありますか?
19歳のときに購入した思い出のトップスやニットはいまでも手入れしながら着続けている、長年の相棒です。それと保育園時代に母が作ってくれた上靴入れ。車のプリントがポイントの小さなポーチなのですが、いまだに使い続けています。
長く使い続けるには、ずっと大切にしたくなるものなのかをしっかり見極めることももちろんですが、保管方法にこだわることも大事。クローゼットはドイツのブランド、MAWAハンガーで統一しています。肩のラインを美しくキープしながら収納できる優れモノなんです。
ーー今回着用したアイテムのなかで、お気に入りのコーディネートを教えてください。
ウエスタンブーツとキャップを合わせ、エッジィに着こなしてみたスウェットのセットアップが素敵でした。プリンセス・ダイアナのカジュアルファッションをお手本にスタイリングを考えたLOOKです。
柔らかく、とろみのあるスウェット生地はあたたかく、着心地も抜群。トレンチコートと合わせたバランスもお気に入りです。
心地よく暮らすためのルールとは?
様々の肩書きを持ち、多方面で活躍するクリス-ウェブ佳子さん。どんなことにチャレンジしても、自分らしく輝いている彼女に心地よく暮らすためのルールを伺いました。
MY RULES
・3世代でクローゼットシェア
・マイバッグは常に持ち歩く
・フェアトレード食品を選択する
母、わたし、娘へと受け継いでいく
新しい物を購入するときは、自分が長く愛せるかだけでなく、娘に受け継ぎたくなる・受け継げるアイテムかどうかも大切です。
わたしから娘だけでなく、わたしの母から娘へと受け継ぐことも。トレンドは25年周期で巡ってくると言われていますし、母が若い頃に着ていた服はいまの気分にマッチするものも多いようで、先日断捨離をしていたときいくつか娘たちに引き継いでいました。
3世代でクローゼットをシェアするだけでなく、娘の友人にプレゼントすることも。我が家には遊びにきたひとがフリーで持ち帰りができるギフトボックスを用意していて、手放すときもただ処分するのではなく、大事にしてくれるひとに渡せるようにしています。
最近ゲットしたFENDIのバッグも、娘たちに譲れるようトレンドに左右されにくいデザインをセレクト。素敵なアイテムだからこそ、自分だけでなく受け継いだあとも長年使い続けられるかどうかを意識したいんです。
スウェットのセットアップと合わせたウエスタンブーツは“お下がり”ならぬ“お上がり”アイテム。娘用に購入したものをシェアして、わたしが履くこともあるんですよ。
エシカルな消費と続けられる習慣
サイズ別でいくつか揃えているエコバッグは必ず車に入れています。スーパーやコンビニに行くときに袋を極力もらわないようにしていて、急遽立ち寄ったお店でエコバッグを持参していないときは商品を抱えて帰ることも(笑)。自分のなかではゲームのような感覚で楽しんでいて、袋をもらうと「負けた!」という気持ちになるんです。環境のためにも、常に携帯するように心がけています。
それと選択できるときはフェアトレード食品を選んでいます。カカオのほとんどは途上国で生産されているということもあって、チョコレートは特に意識して見ています。あとはフードロス削減のため、まとめ買いをしすぎずに食べ切れる分だけこまめに買い出しをするのも習慣になっています。
次の時代、電力がカギになると思っていて。愛車も電気自動車なんです。充電に対するハードルを感じている方もいるかもしれませんが、地域によってはショッピングモールやマンションにチャージャーが設置してあるところも増えています。助成金制度もありますし、クリーンエネルギーに関してもっと理解が深まるといいなと思っています。
娘世代のフラットな考え方に学ぶこと
SDGsのゴールのひとつとして掲げられている、ジェンダーの平等や身体的な性別にとらわれない考え方に関しては、娘から学ぶことも多いんです。祖父母世代だとステレオタイプの考えを持つ方がまだまだ多い印象ですが、彼女たちのなかでは自然なこと。
娘たちは祖父母に対して、それぞれどういったセクシュアリティなのかを説明できるくらい意識が高く、関心しています。どんな話題でもシェアしながら学び合える関係性です。
どんなものに対しても自分が持っているものを大事にして、長く愛する意識を持つことが何よりも大切だと思っています。
PROFILE
クリス-ウェブ 佳子(くりすうぇぶよしこ)
モデル・コラムニスト。4年半にわたるニューヨーク生活で養った国際感覚と、バイヤーやPRなど幅広い職業経験で培われた独自のセンスが話題となり、2011年より人気雑誌「VERY」の専属モデルに抜擢。ストレートな物言いと広い見識で、トークショーやイベント、空間、商品プロデュースの分野でも才覚を発揮する。2017年にエッセイ集「考える女(ひと)」(光文社刊)、2018年7月にトラベル本「TRIP with KIDS こありっぷ」(講談社刊)を発行。二女の母。