PEOPLE
2024.4.25.THU
MY SUSTAINABLE LIFE
#33
自分に問うことがすべて
雑誌やCM、ショーと活躍する傍ら、自ら編集長を務めるフリーマガジン「EA magazine」を創刊、監督・今泉力哉×脚本・城定秀夫による映画『猫は逃げた』では主演を務めるなど、モデル、クリエイター、俳優とジャンルに問わず多方面で活動の幅を広げている山本奈衣瑠さん。
今回は、そんな山本さんの考えるサステナブルについて紐解いていきます。
未来の自分や誰かのために
――現在どのような活動やお仕事をしていますか。
モデル、俳優、個人でのZINE制作、自分で編集長を務める「EA magazine」の制作などをしています。
モデル活動はずっとやっていましたが25歳になる時に今回O0uでの撮影を担当しているカメラマンの小林真梨子が発起人となった「93年展」という企画に参加しました。その企画に関わるスタッフや被写体、取材対象者は全て93年生まれ。その時のまだ何者でもない自分達のありのままを表現し残し、自分達でも何かを生み出す事が出来ると実感した事が今の制作活動にも影響を与えてると思います。
――今後、活動やお仕事を通して何を伝えていきたいですか。
誰かに何かを伝えるためというよりは、自分が自分自身のためにやっている制作や、楽しくて取り組んでいる仕事を通して、見てくれる方にとっての何かになれる様な仕事をしたいなと思います。
“個人”で考えるサステナブルな思考
―― 山本さんの考える「サステナブル」とは何でしょうか。
世界や地球の規模で考えるサステナブルもそうですが、大きな社会の前にまずは”個人”だと思っています。
自分規模で何が持続出来そうなのか、例えばエコじゃないとわかっていてもこれだけは譲れない物は何なのか、その代わりに何が出来るか、など、自分の生活規模を見つめて、何が私にとって向き合える事なのか、物理的にアクションまで起こせなくてもまずは考える事をやめない事、自分なりのサステナブルな思考を持っておく事かな、と思います。
―― サステナブルを学んだことでご自身の心境の変化や、周りの変化などありましたら教えてください。
私も全てがサステナブルな生活を送っているわけでは全然ないのですが、サステナブルな思考を持つようになった時、なぜ持続可能にしなきゃいけないのかを知って考えた時、普段の生活で当たり前に選択していた物に手を伸ばす前に"ちょっと待ってこれってさ"、と考える様になりました。
私が選択した物の背景には何があるのか、その物の生産環境はどうなのか、そして私が選んだ先に何があるのかを感じる様になりました。
かといってやはり自分の生活や心の治安も大事なので、今日は頑張ったしコーラ(ペットボトル)飲ませて!という時もあります。(笑)でもその時に"ペットボトルを買った"という自覚があるか無いかが、その後の生活に影響すると思っています。
自分の言葉を持つこと
――山本さんの考える「自分らしさ」とは何でしょうか。
外見の個性やファッション性だけではなく、自分の情報をなるべく多く知っている事なのかなと思います。
自分を理解していく先にある選択が"自分らしい"になっていくのかなと。
自分に常に問うことで自分の考えが明確になってきたと思います。私は何を思っているの?どうしたいの?と問い、その事は誰かにシェアすることじゃないし、全部自分のものとして大切にしています。
自分が自分の“言葉を持つ”ことを得たとき、自分の感情を言語化できるってなったときに新しい自分になれた気持ちにもなります。
――「自分らしさ」を持つことでよかったと思うエピソードがありましたら教えてください。
周りと比べる事が少なくなったり、自分一人で物事の判断が出来るようになりました。
相手と違う意見でも、自分に意見がある様に相手にもあるのだな、と思えるので例え違う考えを持っていても、
自分は自分、相手は相手、と相手を尊重して共存出来る様になったこと。自分を楽しませる術を沢山知れるようになったこと。
――自分を楽しませる術とはどんなことでしょうか。
私は何が好きで何が嫌なのかその時の自分の身体や心の反応を聞く様にしているので、自分にとっての心地よい事をかなり細かく知っていると思います。それは他人からしたら本当に小さいと思われる様な事からラジオや美術が好きという事まで、内面的に自分がhappyになれることだと思います。自分が好きなことを理解しているので満たされている時間が多く、悩んでいることも少ないですし、気分が下がって落ち込むことも少ないです。
いつでもときめきを大切に
――ときめきを大切にしているというエピソードを拝見しましたが、そのように思ったきっかけはなんですか。
誰かの為ではなくて、自分にとって、自分の気持ちがあがる事を大切にしているという事なのですが、
やっぱり自分の好きなものや好きな時間が自分を助けてくれるなと感じたからです。
自分の心があがる事がときめきであり、そこにちゃんと耳を傾けています。
――様々な記事を読ませていただきました。なぜそんなに「わたし」という自分を貫くことができるのか教えてください。
自分を貫いているかどうか。
自分で自覚は無いですし、私もまだ何かの途中なのでできてるとは思えてないですが、正しく自分に興味を持つ事はとても楽しい事だと思っています。
自分と未来を創る服
――今回、O0uの依頼を受けようと思った理由を教えてください。
私も関わる事でブランドについて知れるし、HPを拝見して商品だけでなく人にもフォーカスしていたので(記事など)、サステナブルという事に対しての寄り添い方がそれぞれあるのを提示している所がいいな、と思いました。
――O0uに対してどのような印象をお持ちですか。
オンライン上でお洋服を見て、アイテムやデザインの振り幅が広いなと感じました。
サステナブルなブランドのイメージって何かに特化していたり、あまりアイテム数も多くない印象だったので、O0uのアイテムだけで小物含めてカジュアルもフォーマルも決まるなあという印象です。
ファッションを楽しみたいけど環境に配慮もしたい方の選択肢にも良さそうだと思いました。
――O0uと共感する部分があればどんなところか教えてください。
HPを開いた時の最初に、サステナブルと一言でいってもその意味はさまざま。とあって、その通りにファッションブランドでありながら、色々なサステナブルについての情報が知れる様にページが作られていて、ブランド側から何かを定義しすぎて無いところが素敵だと思ったし、自分もそう思うのでそこに共感しました。
――「環境・社会問題、サステナブルな取り組みについて、興味はあるけどなんだか今一歩踏み出せない…」という読者に対して、メッセージをお願いいたします。
私はこの世界に生きて暮らしているだけで、もうすでに一歩踏み出していると思います。
年齢、性別、職業、みんなそれぞれ違う環境に暮らしていて、それだけで既にもう他に変わりはいないその生活をしている代表だと思います。
なので、その生活の中で思う不満や愚痴は変わりのいない貴重な意見だし、それを解決出来るのが社会だったりするので、不満や愚痴が芽生えている時点でそれは社会問題にちゃんと参加している事だと思います。
なので“踏み出す”なんて思わなくて良いと思います。
自分の守りたい事、変えたく無い事、好きな事嫌いなこと、自分の生活にある小さな声に耳を傾けていけば、それが既にもう社会と向き合っていることなので "何かアクションしなきゃ"の前に、まずは既に存在している自分の気持ちを聞いてみる事をおススメします!
PROFILE:
山本 奈衣瑠
モデル/俳優/エディター
モデルとして雑誌や広告を中心に活躍するかたわら、2022年3月に主演を務めた映画『猫は逃げた』(今泉力哉監督 作)が公開され2024年今年も多くの出演作を控えている。
個人ではZINE製作やフリーマガジン「EA magazine」を創刊し編集長を務め、趣味は西洋絵画 解読など、ジャンルに問わず多方面で活動の幅を広げている。
Instagram:https://www.instagram.com/nairuuuu/
INFORMATION
山本奈衣瑠さんも出演している“relief O0u”特設ページ公開中:https://o0u.com/collections/reliefo0u-1st