INSPIRATIONS
2023.4.6.THU
ECO FRIENDLY PIONEERS
#23
環境に優しいちょっとオシャレな靴
シンプルに美しく生きるひとに向けたブランド〈Öffen(オッフェン)〉。〈Öffen〉はドイツ語で「開放的な」「オープン」「解き放つ」という意味。
“普段履けるちょっとオシャレな靴。そして環境に優しい”をテーマに、軽量でまるで裸足のように開放的な、優しい履き心地のシューズを展開しています。
環境に配慮したリサイクル素材を使用して製品を作る〈Öffen〉の、靴作りや企業活動を通じて伝えていきたい“想い”を、プロデューサーの日坂さとみさんに伺いました。
人と地球がフェアであるために
ーー〈Öffen(オッフェン)〉というブランドの成り立ちやコンセプトを教えてください。
〈Öffen〉は2019年より開発スタートし、完成までに2年を要して、2021年の春ブランドデビューしました。
出産を機にライフスタイルが一変。本当に人にも地球にも優しいのかな?そんなことを考えながら子供の物を買っていくうちに、物を買うときの選択基準が変わり始めたことが、〈Öffen〉のプロダクトに大きく反映されたと思います。モノづくりに関わる側として、ちゃんと地球環境に向き合った生産者でなければダメだ!まずは自分がワクワクするモノづくりをしなくては納得できるものは生まれない!という考えが、“普段履けるちょっとオシャレな靴。そして環境に優しい”という〈Öffen〉のテーマに繋がりました。
人に地球に優しく!ファッションを楽しむ!をコンセプトとし、人間都合によるモノづくりで生活を豊かにするのではなく、地球目線で、心を豊かにし、ファッションを楽しんでもらうことを目指しています。
ーー人の豊かさだけを考えるのではなく、地球とフェアであることが大切ですね。
人間都合によるモノづくりや豊かな暮らしによって、地球が犠牲になっているのはフェアではないと思います。
作る側の人間として、できる限り新しい資源を使わない、何を作るかでなくどう作るのかなど、どうしたら地球とフェアになるか考えました。〈Öffen〉が辿り着いたモノづくりは、「人間が出してしまう資源ゴミのペットボトルを再利用する」ことでした。
製造工程を少なくして生産時にできるだけゴミが出ないよう開発し、役目を終えた靴を廃棄する際の問題(大気汚染や土壌汚染)を最小限に抑える素材を選定。消費者となるお客さまをゴミの生産者にしないようにパッケージの工夫など環境に配慮した物作りに取り組んでいます。
エシカルなプロダクトが心を豊かに
ーーどうしてシューズを製作しようと思ったのですか?
個人的にシューズブランドを立ち上げたこともあるぐらい。昔から靴フェチだったと思います(笑)。アパレルでディレクターをしていた時代にも、全体のブランドディレクションとは別に、好きが講じて独学ですが、シューズデザインに長年携わっていました。
「おしゃれはガマン」という時代を生きていたので、フォルムはとても美しいけど痛い靴に悩むことも多々ありました。お話をいただいた時、私は子育て中でスニーカーばかり履いていたので、見た目はエレガントだけど履き心地はスニーカー感覚の靴を作ることを強く決心しました。
ーーそんなエレガントだけどスニーカー感覚で履ける〈Öffen〉の商品の特徴やこだわりを教えてください
環境に優しい循環型の経済システムづくりを基本的な考え方として、3Rのリデュース(ゴミを出さない)、リユース(再使用)、リサイクル(再生利用)を心掛けています。
〈Öffen〉のプロダクトは使用済みの”ペットボトル”のリサイクル糸を使用、靴1足はペットボトル8本分でできており、ニット成形の構造により残布、端材が出ない仕様に工夫しています。
ご家庭で水洗いができ、
シューキーパーは靴の保管時に形を崩さないように付属しており、トウモロコシやキャッサバのデンプン質から生まれた植物由来の生分解性プラスチックで、土に還すことができる素材となっています。従来の靴箱の代わりに、リユースを目的としたペーパーバッグでお渡ししています。
ーーこだわりが詰まった〈Öffen〉の今後の発展が楽しみです。
〈Öffen〉は、東京広尾にアポイント制のショールーム、
今後はさらにエシカルな暮らしを繋げていけるような場所となって行けるよう、親和性のあるモノコトを展開していきたいと考えています。
SDGsの取り組みで地球に寄り添う
ーースタッフのみなさまがマイボトルを持参しているとインスタグラムでお見掛けしました。
普段からSDGsな取り組みをされているのでしょうか?
使い捨て的なものは、ほとんど使わないようにしており、資料などの印刷もほとんどしていません(笑)。
スタッフたちに支給するパソコンは破棄されたPCを再利用し
ーー身近なところからの実践。とても素敵です。
人類が地球で暮らし続けていくためには、人、動物、植物、自然に、寄り添う思いやりの心が本当に大事だと思います。
〈Öffen〉では、“つくる責任、つかう責任”を考え行動をしていますが、まだまだ完全には出来ていない状態です。本当の意味での循環型の経済システムを作るため、履きふるした靴を回収しリサイクルできる仕組みづくりを模索しています。まずは1つ1つ丁寧に取り組んでいきたいです。
また、「美しい海をこどもたちへ」をテーマに海や川の環境保全を行っている一般社団法人JEANへ寄付をしたり、支援を必要としている世界中の子どもたちへのサポートとして日本ユニセフ協会に寄付したり、これからも様々な社会課題の解決に向けて、継続的に活動を取り組んでいきます。
持続可能を持続して地球と歩幅をそろえる
ーーこれから人に地球にやさしくしていこうと踏み出す読者にメッセージをお願いします。
難しく考えてしまうかもしれないですが、
今の時代がとても便利となり、なんでも手に入る時代ですが、江戸時代は、衣食住どれをとってもリユース、リサイクルが行われ、資源を大切に考えた循環型社会といったエコな時代でした。この江戸時代の暮らしは現代の生活の中で取り入れられる部分がたくさんあると思っています。
不要になったものの見直しや違う使い道はないのかな?
地元で採れた旬の時期に食べる地産地消生活をしてみようかな?
など、ものを循環させて可能な限り無駄をなくす、もったいないばあちゃん精神を持ち実行すること、楽しみながら持続可能な事を持続することが大切だと思います!
INFORMATION
2023年4月8日(土)よりオープンする、〈mozo WONDER CITY〉でのO0u POP UP STOREにて〈Öffen〉の取り扱いが決定。ぜひ、地球にも人にも優しい〈Öffen〉のシューズを体験してください。