PEOPLE
2023.08.24
MY SUSTAINABLE LIFE
#31
誰にも押し付けられず、自分らしく
PR会社でディレクターとして、飲食店から宿泊施設、音楽フェスなど幅広い業態のPRをする傍ら、性暴力や性的同意に関する情報を配信するNPO法人mimosas(ミモザ)に所属し、活動をしているAyano(アヤノ)さん。
今回は、そんなAyanoさんの活動について詳しく伺い、今後取り組んでいきたいことや、様々な地球問題に対する“想い”を紐解いていきます。
自分事としてとらえてもらうために
――現在、どのような活動やお仕事をしていますか。
今はTANK(タンク)というPR会社でディレクターとして働いています。もう8年目になりますね。クライアントさんのサービスやプロダクトを世の中に広めるお仕事です。飲食店から宿泊施設、音楽フェスなど幅広いクライアントさんとご一緒しています。
また、2020年の夏より、友人の疋田万理とみたらし加奈の立ち上げたNPO法人mimosasという弁護士や臨床心理士などの専門家の監修のもと性暴力や性的同意に関する情報を配信するメディアもお手伝いしています。PRの一環として、グッズのディレクションや製作を担当しています。
mimosasでは、未成年の段階で性被害にあってしまう人が多い 現状を踏まえ、性被害や性的同意について若い世代がわかりやすく学べる、弁護士や臨床心理士の監修によるハンドブック「MIMOSAS BOOK-あなたが傷つかないための性の本」も制作しました。2022年3月・4月の間でクラウドファンディングを行い、目標金額を超える約250万円の寄付支援を受け、1年かけて約11,000冊のMIMOSAS BOOKを教育機関へ配布してきました。
クラウドファンディングURL:https://camp-fire.jp/projects/view/560286
――mimosasの活動の中で、ご自身の心境の変化や、周りの変化などありましたら教えてください。
リアルイベントに友人が来てくれたり、グッズを購入することで活動を応援してくれる方が増えたりと、私自身の回りでも「性的同意」について話すことのハードルが段々と低くなっていると感じます。
その一方で「性的同意」や「性被害」について、誰でも加害者そして被害者になり得る可能性がある中で自分事として考える人と、興味を持たない人の意識の乖離が進んでいると感じます。私自身はそういったトピックに興味が向いている人に囲まれて生きていきたいと思う反面、世の中のことを考えるとそういった興味を持っていない人の関心が高まるような活動を進めていかないといけない課題があるなと思います。
――今後、活動やお仕事を通して何を伝えていきたいですか。
自分が労働することで、この世界がより多くの人にとって生きやすい環境になればいいなと思って働いています。社会人になった時は20代で自分のことで精いっぱいでしたが、30代になってからは自分よりも若い世代の子たちのために、皆さんよりも長く生きている自分にできることはあるかな、と日々思っています。
mimosasの活動を始めた当初はまだ「性的同意」という言葉は世の中にまだまだ浸透していなかったんですが、もちろんmimosasだけに限らず、この問題に取り組む各社・団体との協力によって現在2023年8月には、ニュースなどでも性的同意について報道されること・取り上げられることが増えてきたと思います。そうやって社会の関心や考え方のスタンダード、個々人の在り方が、ある一定の人にとってではなくより多くの人、将来的にはこの社会に生きる全員にとって生きやすいものにしていきたいなと願っています。
些細なことでもできる選択肢を増やす
―― SDGsやサステナブルに関心を持ったきっかけは何ですか。
具体的なきっかけは思い出せないのですが、PRディレクターとして様々なクライアントさんとお仕事させていただく際に、レストランのフードロスメニューや、リフィルができる化粧品など企業がそれぞれ各業界で取り組む様々な試みに触れてきたことがきっかけだったと思います。
お話を聞きながら自分にできることは何かな?と考えるようになり、これから新しく買うものや手に入れるものに関してより地球にやさしい選択をしていきたいなと思って実行しています。
また毎年夏がくるたびに年々拍車がかかる尋常ではない暑さを感じて、どうしても無関心ではいられないトピックだなと感じています。
―― Ayanoさんの考えるサステナブルとは何でしょうか
人間が地球に与える影響を抑えて、地球がありのままの姿でなるべく長く続いていく状態を目指しつつ、対策をする私達人間にとっても無理のないことから始めていくことが多義的なサステナブルだと感じます。
一回大きな行動を起こしてそのあと何もしないよりも、日々の生活で本当に些細なことでもいいので少しずつ自分にできること・選択を増やしていくことが大切だと思います。また、「ありのまま」という部分に関して、誰にも押し付けられず自分のしたいことをしたい時にできているときの自分の状態。自分の考えや感じたことを尊重してくれる、信頼できる人たちに囲まれているときの自分の状態だと考えます。
――普段のお仕事中やオフィスでのSDGsな取り組みがあれば教えてください。
数年前から、毛皮や革製品は購入を避けています。また、プラスチックを使っていない製品を知ったときに試しに購入してみることもあります。(紙製のかみそりなど)
お料理の際はなるべくジップロックではなくシリコン容器で保存・調理するようにしていますし、シリコン容器に乗り換えた時にちょうどラップも買うのをやめました。
家ではガラスか竹のストローを使うようにしています。ピクニックの際に紙コップやプラコップを使うのも、エコではなく見た目もあまり好きではないので、割れないタイプのコップを持っていくことも多いです。
レジャーシートの代わりに布をメインに使っています。(これは見た目の好みの問題かもしれません)
先日ちょうどサンゴにやさしい日焼け止めを友人にもらったので今後海に入る際はそちらを使おうと思います!
できることを増やして継続する
――今回、O0uの依頼をお受けしようと思った理由を教えてください。
もともと環境配慮を心がけているサステナブルなブランドということで気になっていたからです。新作のワンピースも購入したので着るのも楽しみです。
先ほどもお話ししましたが、数年前から革製品と毛皮は購入を避けており、身にまとうものはなるべく地球にやさしいものを選びたいなと思っているので、そんな自分の気持ちにも合っています。
――O0uに対してどのような印象をお持ちですか。
環境配慮に対して真摯に向き合い、葛藤しながらも地球に対してもブランドとしてもサステナブルな手法でアイテムを生み出しているブランドだと思います。
――O0uと共感する部分があればどんなところか教えてください。
これは私の考えですが、一回だけ派手な取り組みで環境にやさしいアイテムを生み出すことよりも、できることから少しずつ環境にやさしい取り組みを続け、できることを増やして継続していくことの方が地球にとって大事ですし、意味があることだと思っています。私自身も決して完璧ではなく、できることから少しずつ継続しようとトライし続けているタイプなので、その姿勢に自分と似たところを感じます。
ーー「環境・社会問題、サステナブルな取り組みについて、興味はあるけどなんだか今一歩踏み出せない…」という読者に対して、メッセージをお願いします。
興味を持っているのであれば既に一歩、他の人より進んでいる状態だと思います!自分にとっては「これしかできない」という取り組みも、1年、2年と続けていけばとても大きな意味を持つと思います。自分にできること、ひとつでもいいので始めてみるといいと思いますよ!
mimosasは主にInstagramで情報発信をしているので是非フォローしてみてください(情報を知りたいと思うこと・知りに行くことも素敵な第一歩です!)
PROFILE:
Ayano(アヤノ)
平和主義のPRディレクター。長期旅行が趣味で南国を中心に世界中を飛び回る。セルフパートナー。
好きな動物はイルカとカバ。