PEOPLE
2021.10.01 FRI
MY SUSTAINABLE LIFE
#12
ヘア&メイク・斉藤誠"娘のひと言"
■O0u(オー・ゼロ・ユー)について
2021年3月31日にデビューを果たした、ライフスタイルブランド。サステナブルファブリックにこだわりながら、地球環境へ配慮した製法を見える化し、上質で長く愛用してもらえる商品を企画開発。
>オンラインショップはこちら
■Me & THE EARTHについて
O0uのオウンドメディアとして、ブランドのフィロソフィーのもと、地球環境に配慮した様々な取り組みや、サステナブルでユニークなライフスタイルを独自取材し、特集を連載していきます。
ヘア&メイクアップアーティストとして、雑誌をはじめ多くの媒体で活躍する斉藤誠さん。その傍ら、「自分が本当に使いたいと思える商品を作りたい」との思いから、ミドルエイジの男性をサポートするスキンケアブランド〈A|O ANOTHER ORDINARY〉を立ち上げ。このブランドの製品はどれも、環境に配慮したサステナブルなもの。手がけるきっかけとなったのは、なんでも娘さんのひと言なんだとか。斉藤さんが思い、実践するサステナブルライフはいったいどんなものか、ちょっとのぞいてみましょう。
環境にいいものは、肌にもいい
——ヘア&メイクアーティストとして活動しながら、スキンケアブランドも手がけていらっしゃいます。〈A|O ANOTHER ORDINARY〉を作るきっかけはなんだったのでしょう。
職業柄、いろんなスキンケアブランドに触れる機会が多いですが、自分と同じ世代に使いやすいメンズのスキンケアブランドがないなぁと、以前から感じていたんです。あるにはあるんですが、やたらと高級だったり、若者向けだったり。ミドルエイジと呼ばれる30後半〜40代の肌に合う製品がなかなか見つからなかったので、では自分で手がけてみよう、と思ったんです。
——ミドルエイジの男性に特化した、というのはあまり聞いたことがないですね。
男性の、特に“いい歳”になった男性の肌悩みに多いのが、乾燥と脂浮き。このふたつは水分バランスの調整で解決できると考えています。これまでの製品は、爽快感ばかりを重視して強烈な洗浄力をもって必要な皮脂を落としてしまい、それが過剰皮脂分泌に繋がって、ニオイやベタつきの原因になることも。
そこで〈A|O ANOTHER ORDINARY〉の製品、とくにクレンザーは、洗いあがりはさっぱり、でもしっかり潤うという 絶妙なバランスにこだわっています。 また抗酸化作用のある成分を配合しているため、ニオイなどの気になるエチケットケアにも配慮しています。そのほかの成分は、メンズスキンケアでは珍しいウチワサボテンオイルをはじめ、 エイジングケア素材として注目を集めるリンゴ幹細胞や、その他多くの天然由来成分を配合しました。
——環境に配慮していることも打ち出していますね。
クレンザーは93%生分解性で海を汚さない素材を使用。またすべてのパッケージにはさとうきびを原料としたバガスパルプを再利用した紙を採用し、環境への負荷を考慮しました。 肌にも環境にも優しく、一緒によりよい未来を作れる製品にしたいと思い、研究を重ねました。
——環境配慮製品を目指したきっかけはありますか?
私自身、海の近くで暮らしていて、サーフィンも楽しんでいます。自分の大好きな環境を壊したくないという思いは、漠然とながら昔から持っていました。でも製品にサステナブルをコンセプトのひとつに加えることを決めた理由は、3歳のときの娘のひと言にあるんです。
ふたりで海に朝の散歩へ出かけたとき、夏で海水浴客が多いためか、ゴミが多かったんですよ。それを見た娘が「こんなところにゴミを捨てちゃいけないね」と。娘が生まれてから、次世代のためになにかしなければ、と思っていたので、そのひと言にハッとしました。それ以降、マイクロプラスチック問題をはじめ海の環境問題についてをチェックするようになり、サステナブルな意識がいっそう高まりました。
この娘の言葉を元にしながら、自身がこれまで培ってきたヘアメイク関連の知識を生かせるものはなにかないかなと思い、作ったのが〈A|O ANOTHER ORDINARY〉なんです。完成するまでに3年かかりましたが、いいものができたと自負しています。
普段使うものに、サステナブルという選択肢を
——プライベートでも、サステナブルな意識はされていますか?
ほんと些細なことというか、特別に意識はしていないんですが…できることを自然とやっている、という感じですかね。
まず移動手段として、極力クルマを使わないことでしょうか。暮らす街は、クルマがないとちょっと不便なところ。だからといって始終クルマに乗るのはよくないかな、と思っています。近所ならだいたいこのクロスバイクで移動。修理しながら大切に乗っていて、相棒歴はもう20年にもなりますね。ブランドロゴもすっかり剥げてしまってますが、乗りやすくて調子いいんです。
それから海沿いの街ゆえに、一年のうち3月〜12月はビーチサンダルで過ごします。これは暮らす街全体のカルチャーなんですよね。で、どうせ履くなら、履き心地がよくて環境にも配慮されているのがいいなと思い、ここ数年は〈ヒッポブルー〉というブランドのものを選んでいます。
スマホストラップとして使っているコレは〈シーマンメイド〉というブランドのもの。同じ街の仲間で、プロのヨットセーラーとして活躍する伊藝徳雄さんと、アートディレクターのholidayさんが手がけるブランドです。ヨットロープの切れ端をアップサイクルしたもので、とにかく頑丈で便利なので使っています。
——気張ってないのにちゃんとサステナブル。このラインナップを見ると、不思議とそう思えました。
サステナブル先進国のドイツでは、使う側がもの選びの選択肢に“サステナブルかどうか”を見ているらしいんです。そんな視点をもって、普段の暮らしに使うものを選んでみたら、こうなりました。こういう“なにげないところ”からサステナブルを意識することが、大事なんじゃないかなと思うんです。
サステナブルは、無理せず楽しく。
——今日は〈O0u〉のジャケットを着ていただいていますが、いかがですか?
めちゃめちゃいいですよ。襟付きのジャケットがどうしても似合わないと思っていたんですが、これなら人前にも着て出られそうだし、かっこいいし、気に入っています。ストレッチも効いていて着やすいし、細かい仕様も機能的だし。素材が再生ポリエステルって点も、着ていて罪悪感がないというか。
やっぱり楽しいとかかっこいいとか、そういう前向きなマインドになれることが、サステナブルには欠かせないと思うんですよ。
——と、言いますと?
ストイックにしなきゃいけない、我慢しなきゃいけない、そんなマインドだと、ムリがたたって途中で嫌になると思うんです。サステナブルな行動は、今すぐ結果が出るものではないので、やり続ける必要がある。楽しければ、続けやすいでしょ?
なので〈A|O ANOTHER ORDINARY〉も、海をイメージできる青を貴重とした、楽しいパッケージを目指しました。
——サステナブルは構えすぎてしまうと、どうしても続かない。
そうです。ダイエットと一緒ですよ(笑)。
——今後、〈A|O ANOTHER ORDINARY〉で目指すものはなんですか?
ゆくゆくは100%ヴィーガンコスメにしていきたいですね。動物実験もしない、自然環境や動物の生態系にも優しい。そんなものを目指しています。 さらにはこのブランドを通じて、サステナブルな意識の大切さをもっと発信して、サステナブルな仲間を増やしていきたいなと思っています。
Profile:斉藤 誠
1970年神奈川県生まれ。ヘア&メイクアップアーティスト。2017年にはヘア&メイクアップアーティストが多数所属する事務所、Lilaを立ち上げ、現在も代表を務める。2020年11月にはスキンケアブランド〈アナザーオーディナリー〉をローンチし、事業責任者に就任。サーフィンをこよなく愛し、海の近くでの暮らしを大切にする。
https://feel-ao.jp
instagram:@feel_ao