FASHION
2022.04.08 FRI
Inside O0u
#05
O0uとめぐる児島デニム旅
今回は、〈O0u〉のデニムの生産地ある「岡山県倉敷市児島」を〈O0u〉のオーガニックコットンデニムワンピースでめぐる旅の後編。〈O0u〉のデニムを含む国内生産のデニムのみならず、世界各国のメゾンブランドのデニムの加工場である、株式会社癒toRi18 の作業風景を切り取り、さらにデニムを愛する者として児島をより堪能できる DENIM HOSTEL float を取材しました。ひととき、児島の風を感じてください。
前編:「世界に誇る手仕事の現場 児島デニム」はこちら
Made in Kojimaが誇るデニムの加工技術
株式会社癒toRi18は、岡山空港から車で1時間ほどの「倉敷市児島」に200平米を超える大きな加工場を構えています。国内外のメゾンブランドからもオファーが絶えない、その手作業のデニム加工技術をゆっくり見せてもらいました。
岡山県はデニムの生産が盛んな県として有名ですが、県内においてデニム生産の工場には地域で異なる特徴があります。東地区では1社完結の工場が多く、児島を含む西地区ではすべての工場が分業をしており、生地作りのプロ、縫製のプロ、加工のプロ、洗いのプロ、そして仕上げのプロがいるという点で、他県での生産方法とは大きく異なり、細部へのこだわりが手厚いといいます。
〈O0u〉のデニムを生産している株式会社癒toRi18は、西地区に位置しており、デニムの手作業の細やかな工程である「削り」「抜染(ハンドブリーチ)」「スプレー(汚し)」「リペア」を担う職人が揃っており、広い工場内にはいくつもの作業スペースがありました。
藍色に染めたデニムを削る手作業
洗いの加工を終えたデニムの色は、深い藍色をまとっています。それに職人が、一本一本手作業で「削り」の工程を加えていく。すると、やがてデニムにしか出せない、味わいのある立体的なカラーに仕上がっていきます。
白く加工していくブリーチの工程
デニムを白く変化させていく工程には、漂白のプロセスがあります。全体的なブリーチだけでなく、部分的なブリーチは特に手作業で、小さなタオルを使い、何度も擦る作業を繰り返していきます。
あえて「汚し」「ダメージを与える」デニムの奥深さ
工場ではオーダーに合わせて、デニムをスプレーで汚し、ダメージ加工をほどこしている作業シーンにも遭遇しました。マシンを使い、一点ずつデニムを操り、糸くずが舞うなか、何度も納得のいくダメージに仕上がる状態を目指し続けていました。
「ある程度のところは機械でやりますが、機械でやるものは結局単調になってしまうので、細かい細部のところは手でやらないと納得の仕上がりになりません。うちは、後工程で表情を出すのがすごく得意なんですが、そこが一番時間のかかる工程なので、そこにあまり時間をかけないようにされている他社さんが多いなか、大変さもあります。」と専務の川上さん。
〈O0u〉のデニムもワンウォッシュ、ブリーチ、アイボリーのカラー展開をしていますが、オーダーに合わせた手作業の技術が、奥深く繊細なデニムの風合い作りを支えていました。
デニム好きが作った、泊まれるデニム屋 “DENIM HOSTEL float”
すっかりデニムに夢中になったところで、もっと岡山デニム旅を満喫するには、DENIM HOSTEL floatでのステイがおすすめ。オーナーはデニムを愛する兄弟、山脇耀平さんと島田舜介さん。今回は弟の島田さんにお話しを伺いました。
学生の頃からデニムメディアを運営し、作り手、工場、ブランドを取材してきた彼らは、自分たちでもデニムブランド(現在の”ITONAMI”)を立ち上げ。週末にはキャンピングカーで自分たちのブランドの販売PRとして全国を巡り、デニムの魅力を広め続ける活動も行ってきました。そして、全国を巡った彼らが、「今度は外から来る人を迎え入れたい」と思い、デニムの魅力を伝える宿を作ったのが2019年のこと。
DENIM HOSTEL floatには、室内のクッションやスリッパにもデニムを使い、デニムの藍色を随所に施した宿泊スペースと、カフェ、ITONAMIの旗艦店舗が併設されている。2022年春に完成したサウナからの海を独り占めできる絶景もこれまたたまらない。
「児島のこの素晴らしい風景を見て、何気なくデニムに触れて、忙しい日々のストレスから開放されて欲しいです。ここを気に入り、また来たい!と言ってもらえることが本当に嬉しいです。」と島田さん。
今後もデニムを通じて多くの人に伝えたいことがあり、児島の魅力発信や、「服のたね(コットンの種)」を育てるところから、デニムを作りを経験できるプロジェクトも続けていくと話してくれました。
岡山県倉敷市児島には、デニムを愛する人々の温かい気持ちと高い技術力が集結しており、世界に誇るデニムに想いを馳せ、五感で堪能できる旅が待っていました。今回着用した〈O0u〉のオーガニックコットンデニムワンピースは、締め付けがなく、動きやすいので旅にも最適。ミディ丈のフリンジにもテンションが上がる一着でした。
ぜひ〈O0u〉のデニムで、次はあなたの旅を。
INFORMATION
【株式会社癒toRi8】
日本におけるジーンズ発祥の地として、世界的にも注目を集めている児島。そのジーンズの街で、年間約15万本ものジーンズ加工・製造を担っている。ドメスティックブランドから海外の有名ラグジュアリーブランドまで、数多くのメーカー製品を手がける。
Instagram:https://www.instagram.com/yutori_18
【DENIM HOSTEL float】
瀬戸内海に浮かぶ島々が望める、デニムを基調としたホステル・アパレル・カフェの複合施設。全国各地をキャンピングカーで旅したデニム兄弟が終着点として初の拠点に選んだ地、岡山県倉敷市児島地区の宿から見える海の景色は、多島美と称される。
住所:岡山県倉敷市児島唐琴町1421-26
TEL:086-477-7620
チェックイン:16:00〜22:00
チェックアウト:10:00
HP:https://www.denimhostelfloat.com
Instagram:https://www.instagram.com/denimhostelfloat
▼岡山児島デニムアイテム一覧はこちら
https://o0u.com/collections/okayama_denim-all
Photo: Ryo Kawano