PEOPLE
2021.08.20 FRI
ECO-FRIENDLY PIONEERS
#09
花も人も、何度も"咲く"きっかけに
■O0u(オー・ゼロ・ユー)について
2021年3月31日にデビューを果たした、ライフスタイルブランド。サステナブルファブリックにこだわりながら、地球環境へ配慮した製法を見える化し、上質で長く愛用してもらえる商品を企画開発。
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■Me & THE EARTHについて
O0uのオウンドメディアとして、ブランドのフィロソフィーのもと、地球環境に配慮した様々な取り組みや、サステナブルでユニークなライフスタイルを独自取材し、特集を連載していきます。
渋谷・原宿エリア、千駄ヶ谷小学校の近くにある、カフェが併設されたフラワーショップ、ローランズ。“働く女性を応援する”をコンセプトにした当店は、絶品スイーツを中心にいつも賑わいを見せるお店です。しかしその実、サステナブルな取り組みに非常に積極的で、ビジネスモデルとしても注目を集めているんです。働くスタッフたちも活き活きしていて、ハッピーな雰囲気を纏う、その理由に迫ります。
一見は普通のフラワーショップ、だけど…
花屋とカフェが併設するローランズは、もともと駒込に異なる業態のフラワーショップを展開していました。いろんな縁が重なり、今の場所にオープンしたのが、2017年の5月のことだと、代表を務める福寿さんが話してくれました。
「このカフェのコンセプトは“働く女性の応援“。今でこそリモートが当たり前となりましたが、オープン当時は外に出て仕事をすることが当たり前だったので。いわゆるノマドワーカーの方々に立ち寄ってもらえるように、wi-fiを完備し、お茶だけでなく軽食も取れるようにしたメニューを用意しています」
フレッシュなフルーツを使ったスムージーやオープンサンドなどが大人気で、取材中もひっきりなしにお客さんが訪れます。フラワーショップには一般の方はもちろんのこと、業者も訪れ、大量に買っていく人も珍しくありません。
「フラワーショップでは切り花から観葉植物まで、手の出しやすい価格帯のものを、バラエティ豊かにラインナップしています。地元の方々が気軽に立ち寄ってくれますし、原宿という場所柄、ショップやイベントで使うお客様も多いですね。ここに出して正解だったと思います」
カフェのイートインスペースには半個室を作るなど、プライベート空間を作ったことも、このお店の人気の理由。仕事に集中するための配慮だという。また人気のスムージーには、ロスフルーツを無理のない範囲で仕入れて使うなど、フードロス問題への配慮も忘れていない。
誰もが自分らしく“咲ける”社会を目指して
ローランズの大きな特徴が、障がい者雇用を積極的に行っていることだ。原宿店のフラワーショップ部門のリーダーを務める高橋さんを始め、障がいや難病を抱えながらも活躍しているスタッフが多い点も、このお店の特徴です。具体的には、従業員の7割以上が障害者雇用枠で採用されているとのこと。
「以前は駒込で筆談できるフラワーショップも経営していました。障がい者雇用は私たちのアイデンティティのひとつになっていますね。カフェでも働いてもらってるのですが、彼らに不得意なことをがんばってやってもらうのではなく、それぞれのスタッフが得意な部分で働けるように、工夫しています」
また、近年は“こどもの貧困”に対する活動にも積極的。子どもたちにお弁当を配布し、支援を行っている。
「せっかくカフェスペースがあるので、食事を通じて家庭に困難を抱える子どもたちに、なにかできないかと思ったのがきっかけで、“お花屋さんのこどもごはん”の活動を行なっています。美味しさはもちろんのこと、そのお弁当を開けた時に笑顔になってほしいので、ひまわりをモチーフにするなど、見た目もこだわっています。」
環境配慮や“ゴミを出さない”ことだけでなく、こうした人や社会に貢献することも、サステナブルな取り組み。ローランズはいろんな側面で、サステナブルに挑戦しているようです。
“花の再利用”でみんな幸せに
新たな取り組みとしてこの夏にスタートしたのが、ロスフラワーを使った結婚式。結婚式で飾るお花やブーケに、ロスフラワーから作られたドライフラワーを使い、レンタルするという試みだ。
「結婚式では新鮮なお花が数時間のみ使われ、そのまま捨てられてしまう現実があります。そこで廃棄されてしまった生花をドライフラワー化してブーケやメインテーブル装花に仕立て、それをレンタルすることでゴミの出ない結婚式を実現しようと思っています。ウエディングプランナー会社と提携し、実現しました」
一方で、ショップにてどうしても出てしまったロスフラワーも、しっかりと再利用。
「生花を扱っている以上、どうしてもロスが出てしまいます。そこで数年前から取り込んでいるのが、製紙会社と提携して、廃棄する花の茎から繊維を取り出し、再生紙を製造し名刺などに加工して利用しています。今は中厚な紙にしかリサイクルできていませんが、もっと広い用途で使えるように品質改良を行っているところです。」
福寿さんは、サービスや味は落とさず、ローランズで食事や買い物するだけで、社会や地球環境に還元できる仕組みを作ることが夢だと語ります。彼女が率いる、花を中心としたサステナブル活動。その動向から目を離せません。
ローランズ原宿店
東京都渋谷区千駄ヶ谷3-54-15 ベルズ原宿1F
03-64340607
営業時間 11:30〜19:00(カフェ〜18:00)
不定休
instagram/@lorans.2013
INFORMATION
Photo : 宮本美和 Text : 佐藤周平
Edit : 八木悠太