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FASHION

2021.05.28 FRI

INSIDE O0u

#01

常識を進化させ 境界線のない服を

“ニューノーマル”が叫ばれるこの時代に誕生したブランド「O0u(オー・ゼロ・ユー)」。ブランドディレクターである近藤満は、長年ファッション業界に携わりながら、「もうこれ以上、同じような新しい服はいらないのではないか……」と問いかけ続けてきたと言います。その答えを見つけるように、「O0u」では、これまでにない新しい服づくりの仕組みや新時代にふさわしいデザインを模索。「O0u」の生みの親が、改めてブランドの魅力を語ります。

今、いち早く取り組むべきアクション「持続可能な服づくり」とは?

 

――まずは、「O0u」誕生の経緯についてお伺いしたいのですが、その背景には、今、ファッション業界でも「サステナブル」が大きなキーワードとなっていることが影響しているんですよね。

 
これまでファッション業界は、環境配慮の面では遅れを取っていると言われてきました。私自身も、長年この業界に携わり、いくつかのブランドでデザイナーやディレクターとして仕事をしてきましたが、流行を追い続けるようなファッション業界のサイクルに「今まで通り服を作り続けていいのか」と、ずっと考えていました。
 
そんななか、アダストリアグループが未来に向けてサーキュラー・エコノミー(※)に本格的に取り組む新規事業を発足。サステナブルをテーマにしたライフスタイルブランドを立ち上げることになりました。これに誘いをもらう形でブランドディレクターに就任したのですが、私にとっては、以前から気にかかっていた課題にトライできる良いタイミングでした。

※「循環型経済」。廃棄された製品や原材料を新たな資源として最大限に活用し、永続的に再生・再利用し続ける経済の仕組み・ビジネスモデル。

 
――近藤さんはブランドディレクターとして、「O0u」をどんなブランドにしたいと考えられたのでしょうか?
 
これまでと同じ方法で新たなブランドを始めても、課題はおそらく何も解決しない。今から始めるのであれば、新しい服づくりのシステムや技術が必要だと思いました。目指すのは「持続可能な服づくり」と「新しさ」です。そのために取り組んだのが、環境に配慮した素材の調達や、過剰在庫やサンプルを生まない仕組みづくり、倫理的な生産環境を整えること。ものがあふれるこの時代に必要とされるブランド、服とはどんなものなのか考え続けました。
 
――「O0u」の商品生産の過程には「AI」や「3DCG」など最先端技術も活用されているんですよね。
 
一着の服が完成するまでには、数回サンプルが作られるのですが、当然、その分の資源が必要になる。そこで、「O0u」ではデザインやパターンに3DCG技術を使い、アバターのモデルにデータ上で服を着てもらうことで、生産回数を抑えることにしました。また、今後は生産し過ぎることがないよう、AIによる需要予測を活用していこうと考えています。まだできていないことも多いですが、少しずつであってもこうした取り組みを続けることが、今私たちがいち早く取り組んでいくべきアクションなのかなと思っています。

 
――なるほど。ブランド名にも多くの思いが込められていますよね。
 
ブランド名には、チームみんなの想いが詰め込まれています。「O0u」の、アルファベットの「o(オー)」と数字の「0(ゼロ)」は、いずれも循環する円の形。包む、つながるといったこともイメージできます。
 
また、可変可能な円形は、内と外、男と女、仕事と遊びなど、さまざまな境界線をなくしていくことを表しています。そして「u(ユー)」は「あなた」を意味する言葉。一人ひとりに寄り添うブランドでありたいという願いを込めています。
 

ニューノーマル時代の「新しい、ふつう」を追求して


――「O0u」ではメンズラインのデザイナーも務める近藤さんですが、プロダクトの特徴について教えてください。
 
ブランドコンセプトは「新しい、ふつう。新しい、かっこよさ」。一着一着、「今の時代にふさわしいベーシックとは何か?」を追求しています。今季、最初に向き合ったアイテムが、シャツでした。
 
従来の考えだと、シャツはジャケットやアウターの下に着るものであったり、その多くはコットン素材に襟・カフス・ボタンがあり、裾はズボンの中に入れるのが‟正装”とされています。一方、若者のリアルな着こなしでは、裾を出し、前を開け、オーバーサイズでの着こなしを楽しんでいます。
 
シャツを型にはめ込んでしまっていたのは、むしろ私たち作る側だったのだと思います。機能素材を使用して、前を開ければ肌寒い時期の羽織りにもなるし、カフスを省けばアウターにも見えてくる。そんな風にこれまでの‟ふつう”の感覚や、境界線を取っ払って、もっともっと自由にシャツを作りたいなと思ったんです。

今日僕が着ている「バンドカラーシャツ」は、丈が長めで、ちょうどシャツとアウターの中間のような着丈です。ただ、丈が長い服は座るときに生地が突っ張って座りにくいということもありますよね。なので、フロント部分に隠しスナップボタンをつけて、簡単に外して楽に座ることができるようにしました。それから、シャツは形の美しさも大切。肩周りの傾斜をゆるやかにすることで、いろいろな人の体型に沿ってきれいに落ちるようにパターンを工夫しています。

シャツの裾の隠しスナップボタン

シャツの裾の隠しスナップボタン

 

一番上だけにボタンのあるシャツも多い。「ビデオ会議が当たり前になったニューノーマル時代に合わせた配慮で、顔に近いところだけでも、こうした『キチンと感』が出るような工夫をしています」

一番上だけにボタンのあるシャツも多い。「ビデオ会議が当たり前になったニューノーマル時代に合わせた配慮で、顔に近いところだけでも、こうした『キチンと感』が出るような工夫をしています」

 

――一見シンプルなシャツですが、きめ細やかなこだわりや工夫がたくさん詰まっているんですね! レディースラインの特徴についても教えてください。
 
たとえばギャザー使いや、丸みや柔らかさを感じられるシルエットなど、メンズに比べてもう少し女性らしい感覚的な要素を入れています。前後を逆にすればVネックでもUネックでも着られるトップスや、リボンの結ぶ位置を変えられるブラウス、スリットの深さをジップで調節できるスカートなど、1着で何通りもの着こなしを楽しめるような小技もポイントです。
 
ドレッシーにもワークウェア風にも見えるデザインは、場所やシーンを選びません。これは「O0u」のすべての服に言えることですが、性別、年齢、時代……いろいろな境界線を超えていく服を作りたい、と考えています。

ポンチョコートは、たっぷりとしたドレープが特徴的。軽いので持ち運びにも便利。「雨の日のお子さんの送り迎えなどに活躍すると、ママにも人気の高いアイテムです

ポンチョコートは、たっぷりとしたドレープが特徴的。軽いので持ち運びにも便利。「雨の日のお子さんの送り迎えなどに活躍すると、ママにも人気の高いアイテムです

 

ディテールにこだわり抜いたからこそ生まれた ‟「O0u」らしさ”


――「O0u」の服づくりの中で最も苦労したことは何でしょうか?
 
素材選びですね。「O0u」すべてのプロダクトには、サステナブル背景のオーガニックコットンやリネンといった天然素材、リサイクルポリエステルなどの再利用素材を使用しています。ただ、こうした素材はまだまだ選択肢が少ないんです。
 
単に「サステナブルな素材を使っている服」というだけでなく、「毎日着たい服」として選んでもらうには、生地の触り心地や上質感を大切にしたい。ただし、そうした質のいい素材を見つけるのはまだ難しく、原価も高くなりがちです。ですが、「O0u」はD2Cブランドで店舗をもたないという点が強み。その分、できるだけお客さまに寄り添った価格設定にしています。やはり自分も消費者として、「お手頃価格なのに地球環境にも配慮できている」という驚きが、より嬉しくなるなと思ったので。

「O0u」は、一着の服がかお客さまの手に届くまでのCO2排出量、水の使用量、どこでどうやって作られたのか、といった情報を包み隠さず誠実に開示しています

「O0u」は、一着の服がかお客さまの手に届くまでのCO2排出量、水の使用量、どこでどうやって作られたのか、といった情報を包み隠さず誠実に開示しています

  

――素材だけでなく、生地の縫い方や仕上げ方も「上質さ」を感じられるポイントですよね。


たとえばこのシャツには、通常、高級シャツに使われる120番双糸という、とても細い糸を使っています。超高密度の生地を織り上げることができ、丈夫でしわになりにくく、なめらかさや光沢のある仕上がりになります。さらに、このシャツは縫い代が表に出ず、ほつれにくい折伏縫いはもちろんですが、裾のラインもきれいに出やすく、丈夫で傷みにくいテープ状の見返し仕末にしています。万が一、傷んでも見返しテープを外して縫い直すことで最小限のカットでリペアできます。ですので、気兼ねなく日常にガシガシ着ていただけます。

 

サンフランシスコの街で学んだ、ものを長く愛する暮らし方


――近藤さんが環境問題やサステナブルについて意識するようになったきっかけについて教えてください。
 
90年代後半、仕事でしばらくの期間、米・サンフランシスコで撮影の手伝いをする機会があり、工場エリアにある低温倉庫をリノベーションした、現地カメラマンのスタジオ兼自宅に滞在しました。

 
その家の1階は体育館のような板張りのシンプルでスタイリッシュなスタジオになっていて、地下は洗濯機スペースや、撮影機材置場になっていたのですが、そこにはどう見ても壊れて動きそうもない古いオーディオやPC、家電なんかが積み重ねられていました。彼に「なんでこんなものを置いておくの?」と聞くと、リペアして使うと言うんです。フリーマーケットでいいものを選別して安く入手し、それを再生したリカスタムしたりしながら長く使い続ける、そんな暮らし方が、僕にはとてもクリエイティブで素敵に感じました。
 
――そんな経験をされてから、近藤さんはDIYを趣味にされていると聞きました。
 
そうですね。それからは私も、気に入った棚やテーブルを買ってきては、好きな色に塗り替えたり、オーディオをリペアしたり。自分であれこれやってみるようになったんです。手に入らないパーツは海外から取り寄せたりもします。

DIYでリペアしたテーブルと椅子

DIYでリペアしたテーブルと椅子

 
DIYの感覚と服作りの感覚は、自分にとってはすごく似ているんです。こうしたらもっと良くなるかな、便利になるかなとか、常に考えているのが楽しくて。それに、直したものは愛着が湧いて、さらに大切に使いたくなります。そんなふうに服も愛してもらいたいという気持ちから、「O0u」ではリペアのサービスも行っていきます。お気に入りの一着をぜひ長く愛用していただけたら嬉しいですね。

 

服づくりも進化を。「O0u」が生み出すファッションの新たな常識

 

――まだ始まったばかりの「o0u」ですが、近藤さんはどんな未来を実現したいと考えていますか?
 
ガラケーがスマホに変わったような変革が、ファッション業界にも起きたりしないかなと思っているんです。スマホはこれまでの僕らの「ふつう」を大きく変えました。服も何かそういった意味で進化していきたい。
 
そのためには、ちょっとした違和感に気づくことが大切だと思っています。たとえば動物は、進化の過程で使わない部位が退化してなくなっていきますよね。服も同じで、ジャケットの袖口の切羽(せっぱ)が本当に必要なのかと考えたり、ベルトが付いていることが本当に便利なのかと疑ったり。そういう違和感への気づきが、ベーシックの進化につながっていくと思うんです。

ベルトワイドパンツの共布ベルトは、後ろが縫い付けられています。ベルトひもが抜けてしまわないための小さな工夫です

ベルトワイドパンツの共布ベルトは、後ろが縫い付けられています。ベルトひもが抜けてしまわないための小さな工夫です

 

――まずは「O0u」を、多くの方に手にとっていただき、そして「新しい、ふつう。新しい、かっこよさ」を実感していただけたらいいですね!
 
数多くあるブランドの中で、かっこいいから、好きだから、心地いいからと、軽い気持ちで「O0u」を選んでいただけたら嬉しいですよね。蓋を開けてみたら「サステナブルなんだ」というのが一番いいかたちなのかなと。
 
ファッションも生活スタイルも、地球環境への取り組み方も人それぞれでいいと思うんです。「O0u」の服を身にまとう、その楽しさや喜びが、一人ひとりの日常とサステナブルをつなぐものになってくれたら素敵ですね。

 

profile:

近藤 満

「O0u」ブランドディレクター・メンズデザイナー。
イッセイミヤケ入社。所属デザイナー・アーティスト津村耕佑氏に師事。KOSUKE TSUMURA 海外、東京、レディースコレクションのアシスタントデザイナー、FINAL HOMEにてチーフデザイナーを経験後、ユニクロに入社。スポーツカテゴリーと契約プロアスリート選手らのユニフォームデザインを担当。

INFORMATION

「ものづくり」の現場から・・・あなたに伝えたい 【石川県能登】

 

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PHOTO:山崎悠次

TEXT:秦レンナ

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