PEOPLE
2021.04.26 MON.
MY SUSTAINABLE LIFE
#02
俳優・渡部豪太 “ゴミに想う未来”
日ごろから、水筒を持ち歩いたり、鮮魚店へタッパーを持参したりするなど、地球環境を考えたアクションを起こしている、俳優・渡部豪太さん。O0uのブランドアンバサダー、そして商品の企画・制作過程でつくるサンプル量の削減などにつながる「3DCGアバターモデル」第1号に起用されたことで、環境に対して、より深い想いも芽生えたそうです。渡部さんに、環境問題について普段から考えていることや、最近の意識変化、今後の展望などについて伺いました。
海に浮かぶゴミを見て「みんなとゴミ拾いしたい」と思った
――渡部さんは地球環境に関して、日ごろどんなことを考えていますか?
地球環境に何が悪い影響を与えているかって、はっきりとはわからないところがありますよね。例えば、温室効果ガスが地球温暖化を促進させているというけれど、それもひとつの要因だろう、というだけでしかない。でも、海に浮かんでいるゴミを見たとき、僕は「これは絶対によくないよな」と感じるし、多くの人が共感してくれると思う。しかも、人間が生み出したプラスチックが自然に還らず海洋を汚染しているとなると、生活の中でプラスチック削減を意識せずにはいられないです。
「みんなと一緒にゴミ拾いしたい」という想いも芽生えてきました。世の中にSDGsやサステナブルへの考えが浸透してきたように、日々、自分もアップデートされているなと感じますが、みんなでゴミ拾いしながら、アップデートした考えを共有し合えたらもっとおもしろいんじゃないかな。1時間半の映画でも、主人公が変化していくことにワクワクさせられるように、人間って人間の変化に興味があるから、お互いアップデートを共有しながら、よりよい未来を目指していけたらいいですよね。
――渡部さんご自身が普段の生活の中で行っている、環境に配慮したアクションを教えてください。
意識しているのは、水筒を持ち歩くこと。僕は水が大好きで、しょっちゅう水を飲んでいるんですけど、水筒を携帯するようになってからは、ペットボトルの水を買う代わりに、カフェへ入ったとき店員さんに「水道の水で全然構わないので、これに入れてもらえますか?」ってお願いすることもあります。皆さん「いいですよ」って快諾してくれるし、水道水って意外とおいしいんですよ。今日も、実はさっきここのカフェの自由に飲めるお水を入れてもらったんです。
スイッチひとつで電気が点く。「当たり前」のすごさに目を向けて
――水筒を携帯するようになって、何か感じたことはありますか?
よかったのは、ゴミが減っただけじゃなくてペットボトルを潰す作業自体も減ったこと。「たった1個ゴミを減らしただけで地球環境に貢献できるの?」って聞かれたら、「ゴミ出しの時間が減った分、覚えられる英単語が1個増えた」としか答えられないけど、誰ひとり今の行動を変えなかったら、確実に海のゴミは減りませんよね。
だけど実際のところ、日常で目の当たりにしていない問題を自分ごと化するのって難しいと思います。例えば、遠い国で戦争が起きているとニュース番組で流れていても、僕たちは渋谷でのランチの予定を辞めたりしないし。
――海や地球が汚染されることで、自分たちの未来が望まざるものになることに、リアリティを感じられないのかもしれませんね。
僕が大好きな漫画『ミステリと言う勿れ』で、アリはアリ塚を築いている途中、そのまま掘り進めたら川に突き当たることを察知すると、その場所を掘るのをやめる、というエピソードが描かれているんですけど、人間にも同じように危機回避能力が備わっていていいはずですよね。
満ち足りている環境にあぐらをかいて、「こういうもんでしょ?」って言っているから感覚が鈍くなる。買い物をすると丈夫なビニール袋がもらえること、スイッチを押すだけで電気が点くことって、今は当たり前だと思いがちだけど、それがどれくらいすごいことなのかに目を向けてみるだけでも、意識が変わるかもしれないなと思います。それに、これだけスピードが速い時代なんだから、「昨日の当たり前」は今日には当たり前じゃなくなっているかもしれない。今の状況がずっと続くとは限らない。
地球の未来のために、今何をするのがいいのか。日々どんなことを心がけたらサステナブルになるのか。皆さんとも意見交換をしながら、僕自身も日々アップデートしていきたいです。意見交換できる機会は積極的につくっていきたいなと考えていますが、そのひとつがゴミ拾い。みんなと一緒にゴミを拾いたいんですよ。「地球上の人みんなが1日10個ゴミを拾えば、それだけでも地球環境は大きく変わるのになあ」なんて想像するくらい。
「流行り」になってほしくない。「常識」になるべきだと思うから
――みんなでO0uの服を着てゴミ拾いするのはどうですか?
それはおしゃれすぎでしょ(笑)。でも、O0uのアイテムはすごく動きやすいから、ゴミ拾いどころか運動もできそう。しかも、サステナブルな素材でつくられているし、10年先も気持ちよく着られるくらい丈夫。絶対に「流行ってほしくないな」と思います。つまり、一過性の流行じゃなくて、「常識」になってほしいということ。それこそがサステナブルですよね。
――渡部さんは今回、O0uの「3DCGアバターモデル」第1号にも就任されましたね。
なんだか近未来への切符をもらって、O0uという“船”に乗せてもらった感じです。「アバターモデル」という役割で乗船して、近未来に続く世界を見せてもらいながら、いろんなことを考えました。
例えば、O0uでは、展示会場のディスプレイ演出も素材には段ボールが使われていたり、ハンガーもさとうきび由来のものにこだわっていたりしていて、サステナブルへの想いが伝わってくるんだけど、全然押しつけがましくない。いろんなブランドがあるなかで、そこに共鳴してチョイスする人もいるんだろうなと感じました。
――最後に、今後仕事を通して実現したいことについて聞かせてください。
SDGsやサステナブルに関しては、一人ひとりがいろんな考えを持っていると思うので、みんなの意見を聴く機会をつくっていきたい。みんなでO0uの服を着ておしゃれして、「最近こんなことがありました」「こんなことに気付きました」とかの意見交換ができたら楽しいと思うんです。
「こんなことやりたいな」と思っていてもなかなかその一歩を踏み出せないことは多いけど、ゴミをひとつ拾うのも“今”だし、「こんなことに気付いたよ」って誰かに言うのも“今”がいい。「次の機会でもまあいっか」って思うこともあるけれど、日々みんなでアップデートしていく中で、「まあいっか」が1日2回だったのが1日1回に減るだけでも大きな進化。
思いついたときにすぐに動いていくことも、サステナブルを実現するひとつのカギになると思うから、みんなで楽しく意見交換していけたらいいですね。
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Profile:
渡部 豪太
1986年3月8日生まれ。茨城県出身。俳優。ドラマや映画、舞台、CMで数多くの作品に出演。4月から新シーズン放送のNHK-Eテレ『ふるカフェ系 ハルさんの休日』で主演を務める。2021年8月には日生劇場ファミリーフェスティヴァル2021、音楽劇『あらしのよるに』では主演ガブ役を演じる。