PEOPLE
2021.07.23 FRI.
MY SUSTAINABLE LIFE
#10
ディレクター・尾崎ななみ"故郷の海"
■O0u(オー・ゼロ・ユー)について
2021年3月31日にデビューを果たした、ライフスタイルブランド。サステナブルファブリックにこだわりながら、地球環境へ配慮した製法を見える化し、上質で長く愛用してもらえる商品を企画開発。
>オンラインショップはこちら
■Me & THE EARTHについて
O0uのオウンドメディアとして、ブランドのフィロソフィーのもと、地球環境に配慮した様々な取り組みや、サステナブルでユニークなライフスタイルを独自取材し、特集を連載していきます。
伊勢志摩産アコヤ真珠に特化したジュエリーブランド〈セブンスリー〉のディレクターや、伊勢志摩の観光大使「伊勢志摩アンバサダー」として活躍中の尾崎ななみさん。独自の観点と等身大の姿勢をもって、生まれ故郷である伊勢志摩にまつわる様々なことを発信し続けている。そんな活動をはじめるきっかけとなったのは、影響を受けた祖父との絆や故郷の海への思い。どちらもサステナブルな意識へと繋がっていた。
東京に出たからわかる故郷の魅力。
――まずは尾崎さんが現在携わっている活動について教えてください。
様々な企業のプロモーションを手がけるサンブンノナナという会社を経営しています。また伊勢志摩産のアコヤ真珠に特化したジュエリーブランド〈セブンスリー〉のディレクターや、伊勢志摩の観光大使「伊勢志摩アンバサダー」としても活動しています。
――伊勢志摩との結びつきが強いですね。
はい、実は生まれ故郷なんです。高校生まで伊勢志摩で生まれ育ち、上京してモデルやタレント活動をしていました。自分のタレント活動の集大成としてミス伊勢志摩に応募し、第58回グランプリに選んで頂いたんです。そこから東京と伊勢を行き来するライフスタイルとなり、今の活動に繋がっていきました。
――なるほど、アコヤ真珠に興味を持つきっかけは何だったんですか?
祖父の影響がとても大きいですね。今年で85歳になるのですが、今も現役で真珠養殖を営んでいます。伊勢志摩は日本で初めて真珠養殖に成功した土地でもあるんですよ。真珠はアコヤ貝を使って育てるのですが、どこの海でも養殖できるわけでなく、リアス海岸のような穏やかな海でないと難しいんです。もちろん水質なども大切で、そのほか様々な条件が揃って初めて養殖することができるため、その生産地は日本でも数えるほどしかありません。
――では、小さいころから真珠が近い存在だったんですね。
幼いころから養殖場で遊んだり、本物の真珠ネックレスを着けさせてもらったりと、真珠がすごく身近な環境で育ちました。祖父の事業を手伝いたいと思ったのは5年ほど前のことで、祖父の直接指導を受けながら真珠のことをしっかりと学んでいきました。
サステナブルな取り組みで故郷への恩返し
――尾崎さんのブランドでは、ちょっと珍しいアコヤ真珠を使っていますよね。
“金魚真珠”のことですね。真珠は海の中でアコヤ貝が育ててくれる自然の恵み。貝を開けてみるまでその形状や艶、クオリティはわからないんです。市場では、真珠は白くて丸いものが最良とされていて、世の中に出回っているほとんどは、美しい真円を描いています。逆にいびつな形になってしまった真珠は“バロックパール”と呼ばれ、流通が少なく世に出ないケースもあります。
――こういった真珠があることを初めて知りました。
“バロックパール”は、1点ずつ表情も異なります。なかでも金魚のように見える真珠に“金魚真珠”と名付けて付加価値を与えることで、今まで流通されていなかった真珠も動きだし、資源の有効活用となります。またなにより養殖者さんたちが大事に育てた真珠を活かすことができます。
――なるほど、生産する手間暇は、一級品の真珠と変わらないですよね。
1粒の真珠を作るのに3年かかるうえに、貝に付いた藻を取ったり、海水温度によってこまめに移動させたりと、様々な手入れしながら育てる必要があるんです。すべて同じように手間暇をかけた自然の恵みを、「形が丸くないからダメ」と判断してしまうことは、どうなんだろうと疑問に思ったんです。形に個性があるだけで、品質は“一級品”には変わりないですから。
――「個性ある形」。素敵な表現ですね。
〈セブンスリー〉では世界最高峰のパールジュエリーをラインナップしていますが、どのアイテムも真珠をひと粒使いしたカジュアルなデザイン。普段着にも合うので、もっと身近な存在として使ってもらいたいですね。とくに“金魚真珠”は1点ずつ表情が違うので、すべてがオンリーワン。だから愛着が湧いたなんて声を頂けると幸せな気持ちになりますね。また真珠の品質は厳しく選別をしているため、天然の傷が目立ってしまったり、輝きが弱かったりといった真珠たちはジュエリーには仕上げず、ワークショップの開催や手作りキットの販売によって、より気軽に着けられるコードブレスレットとして活用できる方法を提案しています。
故郷の海を守るためにできること
――ところで〈O0u〉はサステナブルな意識を積極的に取り入れているブランドですが、尾崎さんは意識されることはありますか?
先ほどもお伝えしたように、真珠の生産には水質のいい海が欠かせません。2019年から日本のアコヤ真珠の生産量の9割を占める、三重県、愛媛県、長崎県で育てているアコヤ貝の稚貝が大量死しています。海水温の上昇が原因のひとつと言われていて、地球温暖化の影響を受けていることを目の当たりにしたんです。それ以降、環境問題にも自然と興味を持ち始めました。
――実際にどのようなことをされていますか?
まずは自分ができる範囲で、できるだけ自然に負担をかけないことを意識しています。一番意識しているのは、日々の生活排水ですね。何度でも使えるひのき材にひのきの蒸留水スプレーを吹きかけて、入浴を楽しむ香りとして使っています。
――素敵な姿勢ですね。
日焼け止めにも配慮しています。特に気に入っているのが、沖縄の自然の恵みを活かした国産オーガニックコスメの〈ルハク〉のものですね。効能も高いですし、企業姿勢にも共感ができます。〈エコストア〉のランドリーリキッドは、有害化学物が一切使われていないから身体にも海の環境にも安心な洗剤です。
――〈O0u〉の活動についても共感できる部分はありますか?
素敵な取り組みをされていて、特にサスティナビティスコアという仕組みがいいと思います。実際に数値化されていると、自分が〈O0u〉を買うことで環境にどれだけ貢献できたか理解しやすいですよね。あとはリサイクル素材を使いながらも肌触りも気持ちよく、品質も高いので安心して長く愛用できるのでは。コストパフォーマンスもかなり高いと思います。
――長く使うこともエコの基本ですもんね
〈セブンスリー〉でも長く使ってもらうことを強く意識しているんです。チャームの取り外しができるので、複数のピアスやネックレスにアレンジできるようにしています。〈O0u〉も着まわし安さをすごく意識しているうように感じるので、もの作りにおいても共感できますね
――尾崎さんの今後の活動にも期待しています
ありがとうございます。引き続き、伊勢志摩や自身のプロダクトを通じて、サステナブルなことにも興味を持っていただけると取り組みができればと思います。
Profile:
尾崎ななみ
伊勢志摩アンバサダー/株式会社サンブンノナナ代表取締役社長。三重県伊勢市出身。高校卒業後に上京し、モデル・タレントとして活動。その後、企業の商品プロモーション企画を行う株式会社サンブンノナナを設立。伊勢志摩産の真珠を用いたアクセブランド〈セブンスリー〉を展開する一方で、伊勢志摩の情報を発信する観光大使“伊勢志摩アンバサダー”としても活躍している。
HP:https://seventhree.jp/